英詩と日本詩人

北星堂書店, 1983 - 503 pagina's

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Pagina 169
詩人は「妖かざるの記」で「テニソンのイン・メモリアムを少しく読みて多く思ひ付く。実に然り,愛!をして或人を愛せしめよ、凡ての人を愛し得るならば、如何に舌が霊の声を聴き得ペきだ。日く不死!」と明治 27 年 7 月 16 日切記 ...

Pagina 428
わがこ「帰らぬ見ればさりともと、思ひし我子も失せぬめり。」いひつ→母はふししつみ,限りのさまにうちなきぬ。妻はつゆけきさむしろに、「わがせの君はなきものと、思ひつゝなほわが身には,今まだあますこっちして。」闇にしまよふたらちねのなみだや雲 ...

Pagina 445
そらきたつげかをりひとやまことたゞ何心なく春は待ちわぶる思ひする,余は獄舎の中より春を招きたり,高き天に。遂に余は春の来るを告られたり,驚に!鉄窓の外に鳴くに!知らず,そこに如何なる樹があるや?梅か?梅ならば,香の風に送らる可きに。美しい声!

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